ストーリー
『周ノ荘帝、悪女妲己ニヨリ、暴政ヲ為ス。
我、周帝ノ娘凛公主也、父ト妲己ヲ誅セント欲ス。
志ヲ同ジクスル者ノ合流ヲ待ツ。
凛公主』

国境に届いた周の姫君からの伝令の文は、簡潔であったという。
中原の平和のために荘帝と妲己を討つ。
同意する者は馳せ参じよ。

悪女妲己が周の荘帝の前に現れてから、
かつて賢帝と呼ばれた荘帝は暴政を行うようになる。
税を搾り取り、民は飢えた。
兵は税の徴収と略奪に走り、国は荒れ、周帝国には魔物があふれた。
あふれた魔物が中原全土に広がり、周辺の魏、韓、趙の民も
魔物に怯える日々が始まってしまった。

周帝国帝位継承者に受け継がれる天翔石を手に、
凛公主は洛陽城下を出奔し、魏に身を寄せることとなる。

後に、彼女は何人かの冒険者に会うこととなるが、これはその前日談である。

(作者未詳 「天翔伝」 冒頭より抜粋)